上野寛 純米酒を販売する有限会社花山酒店


上野寛 うえの ひろし

日本酒本来の風味を存分に味わえる純米酒のみを販売

予算内で料理に合う最高の純米酒を

 神戸電鉄花山駅から歩いてすぐの有限会社花山酒店。日本中から集められた地酒が陳列されている店内には、お酒の芳醇(ほうじゅん)な香りがほのかに漂います。隣には「酒談義(さけだんぎ)」と呼ばれるスペースが併設されており、昔の小料理屋を思わせるような趣深い雰囲気が印象的です。酒談義に入ると、真っ先に目に飛び込んでくるのが大きな冷蔵庫。年中摂氏0度に保たれ、日本酒の品質を保つために温度・湿度管理が徹底されています。その冷蔵庫内には数多くの日本酒が並び、しかも、そのすべてが純米酒というから驚き。純米酒とは、白米や米麹および水のみを原料とした清酒のこと。無添加の純米酒は、悪酔いや二日酔いを防ぐことができるそうです。創業から約35年、花山酒店ではこだわりの日本酒をはじめ、安全とおいしさを追求した酒類、伝統調味料などを提供。店主の上野寛さんは、実際に日本酒を製造している蔵元まで足を運び、自らの目と鼻と舌で吟味した純米酒を取りそろえています。「当店では、いわゆる“ブランド”や希少価値を売りにプレミア価格で販売することは一切しておりません。“飲む人に喜んでもらえるお酒を”と、地道に酒造りに向き合っている方々の愛情が込められたお酒ばかり。適正な価格でいつでも買える、そして日本酒本来の風味が味わえる純米酒を販売しています」。どの商品を見ても、その向こうに生産者の顔や酒蔵の風景が浮かぶと言う上野さん。「自分自身も消費者の一人として、家族の口に入れさせたくない商品は販売しない」といったポリシーを貫いています。

 上野さんの存在をクチコミで知り、神戸・三宮のみならず、大阪からも飲食店経営者が料理に合う地酒を求めてやってくるそうです。「以前、大阪・北新地で“干物(ひもの)専門の居酒屋”がオープンする際、干物に合う地酒を教えてほしいという依頼をいただきました。“日本中から、干物を集めて専門店を開店したい”というオーナーの強いこだわりに惚れましてね、この時は全メニュー一つ一つに、それぞれ最高の一本を提案させていただきました」。上野さんは、これまで数多くの飲食店のオープンに携わってきた経験を元に、お酒選びをはじめ、お店作りをトータルにアドバイスすることができればと考えています。

上野寛 イメージ

奥行きのある深い味わいに感動。衝撃的な純米酒との出会い

 上野さんに純米酒にこだわりを持つようになった経緯についてうかがうと、興味深いエピソードを聞くことができました。意外なことに、20代の頃は日本酒を敬遠していたのだとか。「20代前半に初めて日本酒を飲んだのですが、すさまじい二日酔いを経験してしまい、日本酒に対するイメージは自分の中で悪くなってしまったんです」

 それ以来、日本酒を口にすることもなく、ごく一般的な酒店を経営していた上野さんに一大転機が訪れます。「酒蔵“富久錦”さんと酒類評論家の穂積さんが開催する勉強会に参加した時のことです。そこで、振る舞われた日本酒を見て、まず見た目に驚きました。日本酒と言えば、“透き通った透明色”というイメージを抱いていたのですが、それは山吹(やまぶき)色をしていたのです。さらに、一口飲むと、高級なブランデーを思わせるような奥行きのある深い味わいが口の中に一気に広がり、私は衝撃を受けました。そのお酒こそが、純米酒でした」。次の日、二日酔いになることもなかった上野さんは、「純米酒を売っていきたい!」と強く思うようになったと言います。

 上野さんは純米酒の勉強を重ね、日本名門酒会の仲間入りを果たすことに。その後、現在に至るまで、日本名門酒会に参加している蔵元の純米酒を中心に販売しています。「勉強会では、消費者目線に立った酒店の経営のあり方や伝統ある日本酒文化について、学ばせていただきました。私自身が肌で感じた感動を正しく世の中に伝えていくことが、酒店としての使命だと感じています」

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純米酒のおいしさ、伝統文化である日本酒を世の中に正しく伝えたい

 日本酒文化を世間の人に知ってもらうため、上野さんはお酒と料理を楽しむさまざまな会を定期的に開催しています。「もちろんお酒の知識を身につけてもらいたいという思いはありますが、参加者にはまずはお酒の楽しさを味わってほしいと考えています」。酒談義でのささやかなお酒パーティーも依頼があれば、開催していきたいと言います。

 インタビューを通して、純米酒のおいしさを広めたいという上野さんの純粋な思いに心を打たれました。渋い面持ちとは裏腹に、人当たりが良く、話しやすいやさしい人柄がにじみ出ている上野さん。花山酒店を訪れた方と6時間も日本酒話に花を咲かせたこともあるそうです。あなたに合ったお酒選びの相談には親身に乗ってくれるに違いありません。また、飲食店を経営している方は、ワンランク上のお店作りを目指して、料理やお店の雰囲気に合う純米酒、地酒を花山酒店で探してみませんか?

(取材年月:2009年12月)

PROFILE
氏名 上野寛(うえの ひろし)
店名 純米酒を販売する有限会社花山酒店
事業内容 おいしさ提供業(酒類・米穀・調味料・食品小売業)
専門分野 ■日本酒(地酒)、伝統調味料、安心食品の販売歴30年
■ホテル、飲食店への地酒・焼酎、ほか酒類および食材卸
■飲食店開業アドバイス
特徴 ■お酒はご予算に応じて、お客さまのお好みにピッタリの、
また、お酒と合わせるお料理とも相性が良いお酒をご提案させていただきます。

■多くの料飲店さまとのお取り引き実績から、料飲店開業時に商品のご提供はもちろん、経験を生かしたアドバイスをさせていただきます。開業をお考えの方はご遠慮なくご相談ください。
住所 神戸市北区花山台2-9
神戸電鉄 三田・有馬線 花山駅前
電話 078-582-0088
営業時間 平日 8:30~20:00
祝日 9:00~20:00
定休日 日曜
サイト http://shugou.mimo.com
日本酒は日本の伝統文化 日本酒は、貴重な日本の伝統文化です。その文化を受け継ぎ、時代に合わせて育て、次代に引き継いでいくことが酒屋としての使命と考えています。
商品には作り手の顔が浮かびます 店主の舌とお蔵元さまやメーカー社長さまとの信頼関係をもって全国から集めた日本酒(純米酒)や添加物のない調味料、食品の品揃えが豊富です。私にとって、商品の向こうに作り手の顔が見えるものばかりです。生きる上では私もひとりの消費者です。売り手として、家族の口に入れさせたくない商品は販売いたしません。
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