税金のことから経営まで。全てのアドバイザーでありたい
プラニングからアドバイスまで万全のサポート体制
三宮駅のすぐ近くという好立地に事務所を構えるのは、税理士の森田茂伸さん。
税理士試験に合格し、税理士事務所で勤めた後、平成元年に独立。約20年もの実績と経験を持ち、上場企業の税務顧問なども務めています。
「税金以外に企業経営や資金調達などの相談も多いですよ。必要ならば弁護士など他分野の先生のネットワークにもつないでいます」。
また、税理士だけでなくファイナンシャルプランナー(以下FP)や医業のコンサルタントとして、顧問先の30%を占めるドクターにも医業経営などのアドバイスはじめ、開業前の診察圏調査(マーケットリサーチ)、資金調達、人材採用などから、開業後の資産運用の指導まで行っています。
単に税会計だけでなく、お客様の企業に対してトータルなプランニングをすることを心がける森田さん。今のお客様に対するスタイルは、税理士になる前からのサービス業に対するスタンスからのものだそうです。
「お客様を事務所で待つのではなく、こちらから積極的にお客様のほうへ出向き、どんなことでも相談にのり、できる限り付加価値の高い内容でお答えしていき、お客様に満足度を与えないと、本当のサ-ビス業とは言えない」。
また、セミナーの講師として招かれることも多く、時間の合間をぬっては全国をかけ巡ります。
そして、次のことを必ず話すそうです。
「我々税理士は中小企業の方と数多く接していますが、一番大切なことは、相手の経営者の立場に立って自分のことのように考えられるかどうかです。そして自分の持つ知恵を精一杯、発揮させることです。サービス業ですから」。
経営者のひとりとして、クライアントの立場を考える
セミナーの講師として全国へ出向くようになったのは、阪神大震災がきっかけでした。
「前の事務所が震災で倒壊し、一時姫路に避難したんですが、お客様が早く戻ってきて欲しいとの要望もあり、私も資金不足で…。そこで、どんどんセミナーを引き受けていったんです」。
そのセミナーで受講者が森田さんの話に納得し、仕事の依頼を受けていくうち、全国にお客様が広がっていったとか。
「税理士は数多く話すことも大事なんですよ。話さないと、お客様の悩みや相談事もわからないし、本当のアドバイスもできないですからね」。
そしてお客様に対してはっきりと自分の意見を述べる。
これも重要なことなんだとか。
「例えば、会社が増資をしたいという相談があったとします。しかし会社が増資をすると、会社が赤字でも負担しなければいけない税金を余分に払うことになります。
増資すると、確かに自分から見ると会社を大きく見られる満足感は得られますが、その分、余分な資金を流出させることになりますよ。資金を少しでも自分の手元に残すことの方が大切だと思います。そう思いませんか?」。
そして特に重要なのは、経営者が資力を持つことだと森田さんは話します。
「最後は経営者自身が自分の資力で会社を支えなければ、会社は助けられません。これも震災で得た教訓です。私も被災して経営者に資金がないといかに大変かを経験しましたから。中小企業の経営者は、儲けても利益をあまり表面化させず、無駄な資金を出さずに会社に資金を残していくことが大切です。これが会社の血液となるのですから」
中小企業の経営者としての森田さんの経験もアドバイスには活きています。
「お客様はほとんどが経営者。
経営者の気持ちは、本当の中小企業の経営者じゃないとわからないと思います。私も中小企業の経営者のひとりとして、自分の思いを伝えなければはらないと思いますよ」。
場数をこなしてきたからこそ、実感することとは
現在は中国の上海でもコンサルティング会社も経営。きっかけは数年前に沸いた、ある疑問からでした。
「神戸には中国の方が多く働いていますが、逆に中国へは日本の企業が数多く進出されているはず。日本の企業が中国で自分の悩みを解決してもらっているのだろうか?」
そこでリサーチをしていくうちに中国進出のサポートをされている方と知り合い、中国・上海へ自らも進出。今後は中国進出を考えている企業のサポートを積極的に行っていくそうです。さらに税理士の仕事のかたわら、FPの人材育成や資産運用のアドバイスにも力を入れています。
もちろん講師としてセミナーに出席することも続行中。
これだけのキャリアを持ち、多忙な毎日の内容を聞いて思わず「すごいですねえ」と言うと、森田さんは苦笑い。
「もともと、たいしたことはありません。だからこそ謙虚に素直にならないといけない。
中小企業の社長は働いてナンボ。働く中で、お客様が喜ぶことが、我々の本当の喜びですから」
森田さんの話に感銘をうけるのは、単にトークの技術が優れているだけではない。それはかつて受講者であった、現在の森田さんのお客さんが一番よく理解しているのではないでしょうか。
(取材年月日:2009年4月)