日本の美しい着物文化を伝えて、生活に彩りを
着物のアフターケア診断士として活躍
昭和9年に創業、現在3代目の數野惠子さんが代表を務める「株式会社 かずの」。着物の販売からリフォーム、メンテナンス、新しいファッションの創造へと、着物に関することに幅広く対応しています。
同社の加工・あつらえ部で活躍するのは、着物の〝アフターケア診断士〟の小川三和子さん。着物の修理のほか、大切な着物を、着物から着物へ、着物から帯へ、着物から洋服へ、そして着物からインテリアへ。和装・洋装を超えてさまざまに活用したアイテムを、多彩に提案しています。
「頻繁にお着物をお召しになる方でも、お手入れの仕方に自信がなくて悩んでおられることも多いようです。どんな小さなことでも結構です。着物の困ったを、良かったにつながるようにお手伝いさせていただきます」。
〝着物の形〟は子供からお年寄りまで、さらに男女が同じデザインを楽しむことができます。20代に作ったものを、60代になって着こなすことも、男物を女物に作りかえることも可能です。「着物は、実に実用的かつシンプルに完成された究極のデザイン」と、小川さん。
柄をふせて地色を染め直したり、織物の柄をそのまま活かし地色の色を染め替えたり、着物を丸ごと染め替えることが出来るようになりました。今も昔も、世代を超えて使えるよう、着物には布を大切に扱ってきた日本人の知恵があふれています。これぞ、まさに「エコですよね」。
だから、面倒だと思わず「着物をどんどん楽しんでほしい」と話します。
大切な着物を活用してエコライフを
「着物を1人で着られない方のためには、3分で着られるフィット仕立ても承っております。入門編として挑戦してみるのもいいですね。着慣れていけば、次はきちっとしたお着物を、というように興味が広がっていくと思います。そこから着付けを習って、自分で着られるようになると、楽しみや喜びが倍層します。着物教室も、毎週土曜日の午後3時から開いております。いつからでも、ご参加いただけますよ」。
また、海外で日本人が活躍することが多い時代に向けて、
「日本女性(男性)の美しさを世界の人に知ってもらうには、やはり民族衣装とも言える着物が、日本人本来の魅力を引き出すのにぴったりだと思います」。それに「外国の人が憧れる着物を、日本人がよく知らない…というのも寂しいことですしね」と、言葉を加える小川さん。
正装の場・例えば結婚式など。TPOに合わせてきちんと装い、相手に恥をかかせないのが日本女性の心でもあった古き良き時代。しかし、それは過去のものではなく、現代から未来へと受け継ぐ日本の大切な伝統なのです。
「着物を着ることで、日本人らしさを体現できると思います」。
招かれる場所・状況に対する礼儀だけでなく、招いてくれる人や一緒に出席する人、自分のためにもっと和装を、とも話します。
「着物そのものに存在価値があるので、生きる花となって席を華やかに演出することができます。着物を着て出かけることによって、礼節を尊ぶ気持ちを表すこともできるのでは」。
装いに着物を取り入れて華やかに
子供が産まれてお宮参り・七五三・十三参りなど、節目ごとに着物を着ることで、日本の文化やマナーを学ぶ良い機会にも。忙しい生活の中でちょっと立ち止まって、振り返り…、そして前を向いて。
まずは、身近にある着物に袖を通して「毎日の暮らしに彩りを添えてほしい」と小川さんは願っています。
着物で街を歩くと人の目が集まり、自然と背筋が伸びるという経験をしたことがある人も多いのでは。
「帯を締め、下駄や草履を身に付ける和装は、体のツボを押さえているとも言われています。それもあって、しゃんと姿勢が良くなるのかもしれませんね」とにっこり。
「株式会社 かずの」では、着物をちょっと着てみたいけれどコーディネイトがわからない、という人のサポートもしています。
「シミがひどく、困っておられたお客さまの着物を復元して、喜んでいただくことがとてもうれしい」と話す小川さん。手入れの仕方がわからない、もらった着物をなんとか生かしたいといった人に、
「着物の病院だと思って、気軽に相談に来ていただけたら」。
家や実家のたんすに眠っている着物を、一度チェックしてみてはいかが。
(取材年月:2009年11月)