伝統ある「本差前工法」で安全、安心の家づくり
自然素材が息づく伝統工法
神社仏閣の建築に代表されるように柱を軸として木と木を組合わせる「本差前工法」と呼ばれる伝統的工法が、日本にはある。この工法にこだわり「安全で何百年後までも大丈夫な住まい」を造り続けているのが姫路で60年の歴史を持つ砂村工務店です。代表取締役の砂村逸人(はやと)さんは「本差前(工法)は湿度など日本の気候、風土に適してるんですわ。これをやらなければうちの(存在)意味はないと思っています」ときっぱりと言い切りました。現在の建築基準法では「釘、金物を一切使わない」ということは出来ませんが、プレカット(事前に工場で切断、加工すること)をせず自然乾燥させた木を用います。
「木はあくまで生きものなんやね。杉やヒノキには殺菌作用があり癒し効果もある。プレカットするところと比べると時間はかかるかもしれんけど、家を組んだ時に隙間ができることはないしね。大断面の構造材だから地震にもとても強いし、震動を受け流す力が生まれるんです」と砂村さんは言います。
20数年前、本差前工法で建築した神戸市東灘区の家屋が阪神・淡路大震災で「お風呂のタイルのヒビ、煉瓦のズレ」程度ですみました。大きな被害の出た東灘区にあってほぼ無キズといえる頑丈ぶりに役所の担当者も驚かれたそうです。暑さ、寒さ、湿度対策に加え日本においては「地震に強い」は不可欠。まさに気候、風土に適した工法が実証されたといえるでしょう。
家づくりは〝笑い〟から
砂村さんは先代のお父さまの後を継いで14年前、代表取締役に就任。長男ということもあり、子どもの頃から漠然と「家を継ぐことになるのかな」と思っていたといいます。小学生のときには梁の皮を剥いだり、一輪車を押すなどの手伝いをして1日200円の〝アルバイト料〟をもらっていました。建築科を卒業して現場に入ってからは当時11人いた兄弟子さんたちに手ほどきを受けてきました。
フランスに神殿を造りに行くなど多忙なお父さまからは「家づくりには〝笑い〟が大切」という姿勢を教わります。「お客さまが喜んでくださる笑顔と、家を造る職人が笑って機嫌よく仕事ができる」という二重の意味の笑い。「親父は毎朝仕事に行く前、鏡の前で笑顔の練習をしてから出かけとったよ。イライラしとったらええ仕事は出来ないからね」。日々楽しいことばかりではなく夫婦喧嘩することもある。しかし、それを職場に持ち込まず朝、鏡の前で笑顔にリセットする。これはどんな仕事にも効く素敵な魔法かもしれません。
さらに、人の嫌がる仕事、自分の不得手な難しいことから始めていくということが大切なのだといいます。「好きなこと得意なことはほっといても出来る。それと(現場に)余計なものが何もない状態の方が難しいことも少しはやりやすくなるんよ」。単なる精神論ではなく合理的な方法でもあるのです。
五感プラス第六感で体感してみてください
家を建てることは普通の人にとっては一生に何度もあることではない。大きな資金をつぎ込みあたためていた夢を実現する晴れ舞台です。だからこそ「イメージのすり合わせ」には時間をかけ「お客さまの心の中にモヤモヤを残さないようにする」と砂村さんは言います。床や壁はもちろん収納への要望もそれぞれ異なる。住み始めてからのことも考慮して融通をきかせるなど細かくプランを練っていきます。「家を建てるということは結婚といっしょなんやね。縁あって仕事させてもらって、時間をかけて良い縁を続けていくことが大切です。満足していただいて、建てた後もいつでもずっと対応させてもらってます」
満足してくださったお客さまが知り合いに紹介し、また新たな縁が生まれることも多いといいます。コストを少しでも下げるため砂村さん自身も現場に出て汗を流し、後に続く人材の育成にも力を注いでいます。お客さまに良いものを提供しよう、本差前工法を続け伝統を次世代に残していこうという思いはピタリ一致するのです。
実際に本差前工法で建てられた家を見学する「体感見学会」も随時開催中。「見学会は無料なので五感を駆使して、いや第六感までも総動員して本差前工法の家を体感してほしいですね」と砂村さん。知ってもらえばその良さは必ずわかってもらえる。日本の伝統ある工法への自信と誇りにあふれながら、柔らかな語り口と自然な笑顔が木
見学会日程は同社ホームページなどでチェックできます。予算と、夢を抱えて、一度のぞいてみてはいかがですか。ピンと感じる何かが待っているかもしれません。
(取材年月:2010年2月)